2018年9月13日木曜日

No.46 マイクロプラスチック

エッセイ 静かなドイツの森の窓から 

 自然の力で分解されるまでに数百年の時間がかかるプラスチック製品は、現代人にとって大きな環境問題となってしまいました。
   

 海に流入した プラスチックごみが辿り着く海域「太平洋ゴミベルト」は日本の4倍以上の面積を有しています。
 

 5mm以下の微小な「マイクロプラスチック」は あらゆる海洋生物の体内に入り蓄積され、魚介類を食す私たちの人体への悪影響も指摘されています。
 

 今年の4月には、胃の中に約30キロのプラスチックゴミが溜まって死体と化した可哀想なマッコウクジラのニュースが、海を汚染する深刻なプラスチックゴミ問題として話題になりました。
 

 ドイツで生活をしていて、ここ3年ほどで顕著になったと感じることは、ほとんどのスーパーの袋が紙製か布製だけになったこと、商品を全くの無包装で販売するお店が増えつつあること、ファーストフードなどでのテイクアウト用スプーンやファークが木製になったこと、「プラスチック袋を提げて歩いていると、何となく恥ずかしい」思いをすることが多くなったことなどです。消費者のプラスチックゴミ問題への意識が高くなっていることは確かなようです。
 

 今年の5月、欧州連合(EU)は「2030年までに、使い捨てのプラスチック包装をEU内で無くす」ことを目指す「プラスチック戦略」を打ち出しました。
 

 しかし、EU内でプラスチックごみをゼロにするだけでは単純に解決できない地球規模の大問題になってしまった今、

「環境負荷の少ないプラスチックの代用は見つかるのか」「新興国でのごみ廃棄インフラとどう取り組むのか」などの課題もあります。
  

 私たち日本人にとっては、「美しく包装された商品」から「簡易包装」や「無包装」へ 慣習離れができるのか、ということも対象課題となりそうです。











  

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