2018年8月23日木曜日

No.45 「がぎぐげご」の多いドイツ語

エッセイ 静かなドイツの森の窓から
  
 ドイツ語は「がぎぐげご」の多い言語です。
「ゲガンゲン=行った」「ゲゲッセン=食べた」「ギガント=巨人」「ゲーゲント=地域」「グルゲル=のど」などの例を見ても分かるように、無骨な響きがします。
 
 今やすっかり日本語になっている言葉「ガーゼ」や「ギプス」や「ゲレンデ」も、もともとはドイツ語です。
 
 ドイツ語は日本語と同じように、複数の名詞を次々と繋いで1つの複合語を作れることでも有名です。 ドイツ語の出版物に登場する単語の中で最も長いものであり、1996年版のギネスブックに掲載された言葉に「ドナウダンプフシフファートエレクティツィテーテンハウプトベトリープスヴェルクバウウンターベアムテンゲゼルシャフト」という、日本語に訳すと「ドナウ汽船電気事業本工場工事部門下級官吏組合」というものがあります。
 
 日本語のように聞こえる言葉もあります。
「アリガートー=わに」「イマー=いつも」「ネ?=(だよ)ね?」「アッソー=あっそう」「ブス=バス」「ボンボン=飴玉」「アイ=卵」「ラーメン=枠、フレーム」「ナーゼ=鼻」などです。
  
 「嬉しいです」という気持ちを伝えるためによく使う表現で 「イッヒ ビン フロー= (英語ならばI am glad)」がありますが、約20年前にドイツ生活をし始めたころ、嬉しいことがあると 「イッヒ ビン フロー、イッヒ ビン フロー」と言ながら飛び跳ねていると、居合わせたドイツ人はちょっと困ったような恥ずかしいような、なんだか笑いを堪えているような表情を浮かべたのでした。
 
 後になって分かったのですが、あの時RとLを間違えて発音しており、「私はノミです、私はノミです」と言いながらピョンピョン飛び跳ねていたのでした 。