エッセイ 静かなドイツの森の窓から
ドイツでは、日本の習慣のようにチョコレートではなく「バレンタインデーには男性から女性へ花」を贈ります。
ここ数年来、2月14日に贈る花の中で最も人気のあるのは、「フェアトレード認証のバラ」です。
また、ドイツでは「フェアトレード認証のバラ」についての記事が掲載されている新聞や雑誌が年々増え続けています。
「フェアトレード」とは「発展途上国からの商品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す貿易のしくみ」のことで、ドイツでは約20年前から促進され続けており、共感を持つ一般人の数も毎年増えています。
「バレンタインデー」と「バラ」と「フェアトレード」には、実は次のような関連があります。
2月のこの時期になると、約1500㌧のバラがケニアからドイツへ運送されてきます。総数4千万本以上のバラが、バレンタインデーのためにドイツに輸入されるのです。
ケニアにあるバラの花卉(かき)農園では、悪労働条件に加え、農薬による健康と環境への弊害や、農園での多量散水が原因となっての水不足など、 問題が多々あります。
「ケニアの人権問題と環境問題の改善を支援したい」 「バレンタインデーに大切な恋人へバラを贈りたい」これらの葛藤の末「今、一人一人に出来ること」として浸透していったのが「フェアトレード認証のバラ」を贈ることなのです。
【写真説明】国際フェアトレードラベル機構の認証ラベル(右上)とバラの花束(ドイツのフラワーギフト通販カタログより)
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