2017年5月25日木曜日

No.15 オランデーズソースの由来

エッセイ 静かなドイツの森の窓から
 

 白アスパラにかけて食べる「オランデーズソース」。
ドイツにて人気のあるソースですが、実はドイツ料理ではなく、フランス高級料理の基本ソースの一つです。白だけでなく緑アスパラにも、他のお野菜やお魚、お肉にも合う味です。
 

 ソースの名前の意味は「オランダのソース」。フランス料理なのに、なぜオランダ?
 

 第一次世界大戦中のフランス国内ではバター不足に悩まされていました。 バターがなくては美味しいソースが作れない! そこで、このソースを作るために、オランダからバターを輸入していた、というのが由来だそうです。
 
 さて、読者様方からの「ソースのレシピを教えてほしい」というご要望にお応えしたく、我が家でのレシピをご提供いたします。
 

 材料は全て日本で手に入りますし、焦らず丁寧に時間をかければ、美味しい「オランデーズソース」が出来上がります。是非お試しくださいませ。

必要な材料
・バター250g
・卵黄(生で食べれるような新鮮な卵の卵黄) 3個
・水 大匙3杯
・絞り立てのレモン果汁 大匙2杯
・蜂蜜 小匙2杯
・塩 少々(1,5 g)
・胡椒 少々

作る手順
①バターを柔らかく溶かしておく 。
②卵黄、水、レモン汁、 蜂蜜、塩をボールに入れ、混ぜる。
③ ②を湯せんにかけながら泡立て器でしっかりと混ぜる。
④バターを8回に分けて③に入れ, 泡立器できれいに混ぜる。
⑤全体が綺麗なクリーム状になったら湯煎から外す。
⑥胡椒を入れ、味を整える。
 
注意事項
1) バターを柔らかくする時は約45℃で。高温で溶かすと、バターが分離してしまいます。
2) 作る手順②の湯せんの温度は80℃が理想です。80℃を超えると、 卵黄が固くなってしまいます。
3) バターを一度に全部加えると乳化がうまくいかないので、最低でも8回に分けて、少しずつ混ぜてください。
4) ソースがポターっとしたクリーム状になるまでには、20〜30分かかりますので、ゆったりとしたお気持ちでお料理ください。

お口に合いますように。


2017年5月11日木曜日

No.14 白アスパラガス

エッセイ 静かなドイツの森の窓から

 んっ? んっ! おっ!おいしい〜!!」
ツルンっとほおばると、 ふわ〜っとした春の香りとジュワーっとした野菜汁が口の中に広がり、舌の上ではトロ〜っと溶けるような絶妙な自然の甘みが味わえます。
 

 直径2cmもの太さを持ち、長さは25cmほどもあるドイツ産の白アスパラガス。 白アスパラの出荷期間は4月中旬から6月中旬までと限定されており、この時期、全ドイツ国民が夢中になって食べています。ドイツ国内での年間生産量は12万トン。平均すると、一人当たり1シーズンに1,6kg食べていることになります。国産白アスパラの平均的値段は、1kgにつき7€ (約900円) 。ドイツ野菜の中では最高額ランクです。
 

 白アスパラは鮮度が何より大切。ほっぺが落ちるほど美味しいものを食べるためには、穫れたてでなくてはなりません。
 

  収穫したての白アスパラは美しい白金色をしており、瑞々しく輝いています。その艶やかな皮をピーラーで剥き、根元2cmくらいを切り落とし、グラグラ沸騰したお湯に入れ、白アスパラが「ぽた〜」と柔らかく茹で上がったら出来上がりです。
 

 白アスパラと抜群に相性が良いのは、バターと卵黄で作られた「オランデーズソース」です。「ぽた〜」としたクリーミーなソースです。白金色のアスパラと黄金色の「オランデーズソース」は色彩も美しく、視覚的にも存分に楽しめます。
 

 白アスパラ栽培法は18世紀半ばに発見されました。それ以降、ドイツでは白アスパラの人気が高まり、19世紀のドイツのアスパラ栽培はもっぱら白ばかりになりました。もう緑ではなく、白ばかり食べたくなってしまったのですね。
 

 これを読んで、「へえ〜、そんなに美味しいの?」と思われたのではないでしょうか?
 

 「はい、そんなに美味しいの!! 」 です。