2017年3月28日火曜日

No.11 ドイツの抹茶ブーム


エッセイ 静かなドイツの森の窓から

  振り返ってみると、「約10年前からの煎茶ブーム」が「抹茶ブームのルーツ」でした。

「煎茶は苦くて飲みにくい」という理由にて、一般人には広がりにくかったのですが、「フレーバー煎茶」がヒットしてからは需要が高くなりました。

「フレーバー煎茶」とは、茶葉に花や果実やスパイスを加えた煎茶です。 

「 煎茶ブーム」により緑茶慣れしたドイツで今度は、約5年ほど前に抹茶がブレイクしました。

MATCHA」という言葉を知らない人は今やいないと言っても過言ではないでしょう。

紅茶販売店やハーブティー専門店には必ず「MATCHA 」が販売されています。

お値段は、30gの缶入りだと、だいたい20€(約200円)〜50€(約6000円)。
日本での 約3倍の値段ですが、「MATCHA 」販売ゼロという日はないそうです。

 抹茶入りドリンクの中でも人気があるのは、抹茶ラテや抹茶豆乳、ライムなどの果汁と混ぜた抹茶ジュースです。

「緑茶味の強化 」のために「フレーバー煎茶」と抹茶を自分でミックスさせて飲む人もいるそうです。

また、お米を牛乳で炊き、砂糖と抹茶で味付けした「抹茶ミルクライス 」もドイツ人好みのデザートです。

 高級料理店では、抹茶を料理の色づけに用いたり、薬味や隠し味などとして使っています。

抹茶の気品ある香りや、深みのある味や、禅寺の苔を彷彿させる美しい緑色には、高級西洋料理に引けを取らない香と味と色があります。

 鎌倉時代に宗に渡った栄西が、禅宗と抹茶を飲む習慣を日本に持ち帰ってから約800年。

時代を経た今、「MATCHA 」として生まれ変わり、「フレーバー煎茶」や「ミルクライス 」や「高級西洋料理」たちと生き生きと楽しく仲良く交流している抹茶。

様々な経験と時を重ねたことにより控えめながらも確固とした自分を持ち、和敬 を心得ている「MATCHA 」を頼もしく誇らしく感じます。

写真の説明: シュツットガルトの紅茶専門店にて抹茶碗を持つ店員さん 
隣の棚の上には抹茶や茶杓、茶筅などの茶道具が置かれている。



2017年3月17日金曜日

No.10 マウルブロン修道院のマウルタッシェ

エッセイ 静かなドイツの森の窓から


 シュツットガルト郊外にあるマウルブロン修道院

 ユネスコ世界遺産に登録されているこの修道院の修道士は普段から完全な菜食を貫いており、平信徒(仏教でいう在家)は断食期間中の肉食を絶つように促されています。 

 キリスト教の断食期間は毎年変動しますが、今年は3月1日から4月15日まで。 

 「断食期間マウルブロン修道院に纏わる、こんなお話があります。 

 17世紀半ば、三十年戦争と呼ばれる悲惨な戦争は、ドイツの都市も農村も荒廃させました。

 この戦争のせいでドイツ人口は約3分の1まで激減してしまいました。 

 そんなある日、マウルブロン修道院の修道士は、回廊にお肉の塊を見つけます。 

それは肉食がタブー中のタブーである断食期間中の出来事でした。 

 厳しい修行に耐え抜いている修道士は並々ならぬ自制心を持っています。

 しかし今まさに、ドイツ全土が餓死の恐怖に襲われ続けている緊急事態。修道士はお肉を手に取り、料理する決心をしました。お肉を可能な限り細かく切り、ほうれん草と混ぜました。

断食期間中の肉食は神への冒涜。どうか神の怒りに触れませんように。と苦悩した修道士は、ある手段を取ります。 

神様からお肉が見えないように、ほうれん草と一緒に皮の中に包もう。

このような逸話から、この料理は神への欺き(Herrgottsbscheiserle)』という渾名を持ち、マウルタッシェ」と呼ばれています。 

 現代ドイツ人の約10%は菜食主義者であり、そのほとんどは20代の若者です。 

 神を欺いてまでお肉を入れたマウルタッシェは、400年の時を経て変化しました。 
 
 今の若者に人気なのは お肉なし野菜マウルタッシェ」 なのです。











2017年3月3日金曜日

chaufernster / Andile Khumalo


Here you can listen the music "chaufernster" composed by Andile Khumalo.

The recording is from my concert in Johannesburg / South Africa, when we ensemble cross.art had concert-tourney 2013 ^-^/


You can listen the music:-)
Please click here on this picture

https://soundcloud.com/user-686573597/chaufernster-andile-khumalo


2017年2月28日火曜日

No.09 ポルシェ博物館


エッセイ 静かなドイツの森の窓から

 シュツットガルトにあるポルシェ本社に隣接し、斬新なデザインで特別なオーラを放っている「ポルシェ博物館」。

「ポルシェ聖地」とも呼ばれています。


 ポルシェ約80台は3セクションに分かれて展示されています。
各セクションを勝手に名付けると「納得」「溜息」「失神直前」。

 
「納得セクション」では、ポルシェの技術史を知ることが出来ます。

開設(1931)当時生産されていた 消防車やトラクター、 ポルシェ初の電気自動車モーターなどが展示されています。

「そうだったのか!」「トラクターなのに可愛くてお洒落!さすが!」という納得感を得られます。

 
 「溜息セクション』で は、1948年の第1号車から最新のモデルに至るまでのポルシェスポーツカーが年代順に並べられています。それらを溜息交じりに鑑賞し、心ゆくまで堪能できます。

 
 一番テンションが上がるのは「失神直前セクション」。

911」の進化史コーナーや、「ル・マン24時間耐久レース」にてモータースポーツ史上栄光に輝いたレーシングカーがズラリ勢揃いする展示コーナーがあります。

「壮大な夢」や「壮絶な闘い」や「深い哲学」の結晶品である伝説的スーパーカーを観ながら、感動で失神しそうになります。

 
 展示されている車のボンネット内の観察や、試走も可能ですし、オプションとして、エンジンパーツのピックアップから最終のインテリア組み込み工程までを工場内にて見学出来る 「ファクトリーツアー」もあります。

   
  館内ショップでは、全歴代ポルシェ車の大小様々なミニカーが並んでおり、世界各国からの「巡礼者たち」は「my御護り」としてのミニカー選びに勤しんでいます。

 彼らの直向きな姿からは純粋さと情熱が滲み出ており、痛感させられます。ここは「ポルシェ聖地」なのだと。







写真の説明 

ポルシェ博物館前のモニュメント。3台のポルシェ車911が括り付けられている前衛芸術作品。



2017年2月14日火曜日

No.08 バレンタインにフェアトレードの薔薇を

エッセイ 静かなドイツの森の窓から

 
 ドイツでは、日本の習慣のようにチョコレートではなく「バレンタインデーには男性から女性へ花」を贈ります。

 
 ここ数年来、2月14日に贈る花の中で最も人気のあるのは、「フェアトレード認証のバラ」です。

また、ドイツではフェアトレード認証のバラについての記事が掲載されている新聞や雑誌が年々増え続けています。

 
 「フェアトレード」とは「発展途上国からの商品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す貿易のしくみ」のことで、ドイツでは約20年前から促進され続けており、共感を持つ一般人の数も毎年増えています。

 
 「バレンタインデー」と「バラ」と「フェアトレード」には、実は次のような関連があります。

 
 2月のこの時期になると、約1500㌧のバラがケニアからドイツへ運送されてきます。総数4千万本以上のバラが、バレンタインデーのためにドイツに輸入されるのです。

 
 ケニアにあるバラの花卉(かき)農園では、悪労働条件に加え、農薬による健康と環境への弊害や、農園での多量散水が原因となっての水不足など、 問題が多々あります。

 
 「ケニアの人権問題と環境問題の改善を支援したい」 バレンタインデーに大切な恋人へバラを贈りたいこれらの葛藤の末「今、一人一人に出来ること」として浸透していったのが「フェアトレード認証のバラ」を贈ることなのです。




【写真説明】国際フェアトレードラベル機構の認証ラベル(右上)とバラの花束(ドイツのフラワーギフト通販カタログより)






 









 








2017年2月9日木曜日

trailer film

Here is a trailer film ^-^


https://vimeo.com/85387160


cross.art – past and future dialogue 1
Sonntag, 9. Februar 2014, 16 Uhr
Kunstmuseum Stuttgart

Manuel De Falla : “Suite Populaire Espagnole” für Violoncello und Klavier (1925)
John Cage: "Imaginary Landscape 1” for records of constant and variable frequency, large chinese cymbal and string piano (1939)
Karel Goeyvaerts: "Stuk voor piano en tape" für Klavier und Tonband (1964)
Caspar Johannes Walter: "comodo e lamentoso" für 2 Violoncelli (1987)
Kajia Saariaho: "Petals" für Violoncello und Live-Elektronik (1988)
Iannis Xenakis „Paille in the Wind“ für Violoncello und Klavier (1992)



ensemble cross.art
Rohan De Saram, Violoncello
Céline Papion, Violoncello
Junko Yamamoto, Klavier
Oliver Frick, Live-Elektronik

Projektkoordination: Juliane Beck

Kooperationspartner: Kunstmuseum Stuttgart
Mit freundlicher Unterstützung der Stadt Stuttgart (Kulturamt Stuttgart)
http://www.ensemblecrossart.com

2017年2月8日水曜日

東京公演のお知らせ 2017年3月2日(木曜日)

チケット予約が開始されました^-^

東京公演

日時
3月2日(木曜日)
18:30開場
19:00開演

場所
東京渋谷公園通りクラシックス
〒150-0042
東京都渋谷区宇田川町19-5
東京山手教会B1F
http://koendoriclassics.com

チケットご予約は
E-mail yes.tokyo.poppy@gmail.com
もしくは
050-3395-4710 (サイカ)にて可能です。

皆様のご来場を心待ちにしております^-^/






xoxo